子どもの自主性を育てる方法7選!自主性が求められる理由とは?

子どもの自主性を育てる方法7選!自主性が求められる理由とは?

親が言う前に、自ら身支度や宿題をしてほしいと考えている方は多いのではないでしょうか。自主性を育てるために、なるべく子ども自身にさせるようにしていても、「時間がない」「一向にやる気配がない」という理由で、つい手を貸してしまうこともあるでしょう。

近年の教育では、授業で学んだ内容を元に生徒自身が自主的に考えて表現する力が重要視されています。では、子どもの自主性を育てるためには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。当記事では、子どもに自主性が求められる理由や、自主性を育てる7つの方法を紹介します。子どもの自主性を伸ばす子育て方法が知りたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

1. 子どもに自主性が求められる理由とは?

2020年に行われた教育改革で、生徒が能動的に考え、授業に参加する学習法「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」が積極的に導入されはじめました。これまでは学校の授業への理解度に重点が置かれていましたが、今後は習得した知識や技能を生かして自分で考えて表現する教育メソッドが主流になりつつあります。

(出典:文部科学省「平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)」

また、ここ数年で「VUCA」という言葉が広まってきました。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとった言葉で、「予測困難な」という意味です。急速なテクノロジーの進化や新型コロナウイルスのまん延が、VUCAを加速させています。既存の考えが通用しない時代だからこそ、自分で考えて行動できる力が必要となります。

小さな頃から自主性を育てると、自分に自信が持てる子に成長します。自信がつくと行動力が増し、自分の力を積極的に発揮することが可能です。大人になり社会に出ると、自主性や主体性を求められる仕事が多く存在します。大人になってから自主性を身につけるのは難しく、子どもの頃に土台作りをしっかりしておく必要があります。

2. 子どもの自主性を育てる方法7つ!

子どもの自主性を育てる際に、子どもの年齢は関係ありません。何歳からでも、普段の生活の中で「やりたい」と子どもが主張した際は、自分でできるように親が環境作りをしてサポートしてあげることが重要です。

ここでは、子どもの自主性を育てる7つの教育方法を具体的に紹介します。

  

2-1. 自分で考える習慣を身につけさせる

子どもの自主性を育てるために重要なのは、自分で考える力を身につけさせることです。子どもは「これはどうしたらいい?」と親に意見を求める場面が多々あります。親が答えをすべて教えてしまうと、子どもの自分で考える力が育たなくなるでしょう。子どもから意見を求められたら、まずは子ども自身の意見を聞くことがおすすめです。なるべく子どもが自分自身で考える時間を作れるようにしましょう。

また、子どもが考えている際に、親が望む答えに誘導する言動は避けましょう。親が誘導をくり返すと、自分はどうしたいのかではなく、「お母さん(お父さん)が望む答えはなんだろう」と、相手の顔色ばかり伺う子に育ってしまう恐れがあります。子どもをひとりの人間として扱い、意見を尊重するようにしましょう。

2-2. 成功体験を積み重ねる

目標達成などの成功体験を積み重ねると、自分に自信が持てるようになり自主性が身に付きます。子どもが一人で着替えをしたり、靴をうまく履いたりなど、自分で考えて行動したときは、ポジティブな声掛けを行うようにしましょう。「〇〇ができたね!すごいね!」などと声をかけることで、「これで間違ってないんだ」と子どもの自己肯定感を高めることができます。

声のかけ方にもポイントがあります。「やったね!」というような抽象的な言葉を使うのではなく、「自分で〇〇ができるようになったね!」というように、具体的に何ができたのかを伝えることが重要です。小さな目標でも成功体験を積み重ねて評価されることで、自分に自信が持てる子どもに成長するでしょう。

2-3. 子どもの個性を尊重する

自主性のある子に育てるためには、子どもの個性を否定せず、尊重することが大切です。日本人は目立つ行為があまり得意ではなく、周りの意見に合わせようとする傾向にあります。しかし、自分の気持ちを隠して周りに合わせていると、自主性は育ちにくくなるでしょう。周りの人と違う考えを持っていても間違いではないと、子どもに教えることが重要です。

また、子どもの好みが親と似ているとは限りません。親が避けてほしいと考えている行動をしたり、必要のない物を欲しがったりすることもあるでしょう。親の好みを子どもに押し付けるのではなく、子どもの意見を尊重してあげることも大切です。

個性を尊重させるためといって、子どもの思うままに行動させてもいい訳ではありません。他人に迷惑をかける言動や行動には注意する必要があります。親は子どもを放置するのではなく、すぐ近くで見守ってあげるようにしましょう。

2-4. 余計な口出しをしない

子どもが間違えないように、つい口を出してしまいたくなる場面もありますが、過干渉は子どもの自主性を奪ってしまう恐れがあります。特に親が気をつけたいのは「教えないこと」と「先回りしないこと」です。

勉強で分からないところがあれば、すぐに答えを教えてしまうのではなく、「教科書の似たような問題を見てごらん」というようにヒントを少しずつ出すようにしましょう。子どもが自力で答えを見つけられたときは、子どもと一緒になって喜び、褒めてあげることが重要です。

また子どもの意見を聞かずにおもちゃを選んだり、着る服を出したりすることも、自主性の育成にはあまりおすすめできません。先回りして手を差し伸べることは、子どものモチベーションを下げることにつながる場合もあります。子どものペースに任せて静観するように心掛けましょう。

2-5. 子どもに好き放題させない

子どもに過干渉になるのは、自主性を育てるためには避けるべきことですが、子どもを放任していいわけではありません。子どもがやりたいと主張したことを、毎日長時間、子どもの気の済むまでやらせるのは避けましょう。特にゲームなどの遊びは注意が必要です。子どもの意見をすべて聞き、子どもに言われる通りに行動する必要はありません。

好き放題させないためにも、まずは親がルールや約束事を決めた上で、子どもの意見を聞くことが重要です。特に他人に迷惑をかけてしまう恐れがある場合は、しっかりと子どもに社会のルールを説明しましょう。親がすべてを「やってはダメ」と頭ごなしに否定するのではなく、子どもがルールを理解した上で「これなら大丈夫かな」と考えられるような環境作りをすることが大切です。

2-6. 子どもの失敗を叱らない

大人でも失敗するときがあるように、子どもも自分の行動によりさまざまな失敗を経験します。失敗したときに叱ってしまうと、子どもは萎縮してしまい何事にも挑戦する「やる気」を失う恐れがあります。叱るだけでなく、親がイライラした様子やネガティブな表情をすることも避けるようにしましょう。ネガティブな反応をすると、子どもはそれを敏感に感じ取り、失敗するのを怖がるようになる恐れがあります。

自分で考えて行動した結果、失敗したとしても決して恥ずかしいことではないと説明しましょう。失敗した原因と、次に失敗しないためにはどうしたらいいかを子どもと一緒に考えるのも親の役割です。

2-7. 1つのことにこだわらない

子どもは好奇心の塊で、興味関心が目まぐるしく移り変わります。子ども自身が興味を持ってはじめたことでも、他の物事に興味の対象が移り、飽きてしまう可能性があります。親としてはせっかくはじめたので長く続けてほしいと考えるでしょう。しかし、子どもの興味が失っているにもかかわらず、無理に継続させようとすると「やらされている」と感じ、最悪トラウマになるかもしれません。

新たに興味のある分野が出てきた場合は、なるべく挑戦できるように支援してあげることがおすすめです。新たな挑戦を応援することで、いろいろなことに自主的にチャレンジする子どもに育ちます。また、さまざまな物事を経験することで、子どもが本当に好きなことに巡り合う確率も上がるでしょう。

まとめ

2020年に行われた教育改革の影響で、子どもの自主性が必要な教育法が主流になりました。また、世界的にVUCA時代が加速している現代では、いかに自分で考え行動できるかが、これからの社会で生きていく上で重要な能力になります。

子どもの自主性を育てるためには、両親の支えが不可欠です。日頃から子どもが自分で考えて行動する機会を設け、子どもの個性を尊重することが大切です。また、子どもが自分で考え行動した結果、失敗するときもあります。叱らず、なぜ失敗したのかを一緒に考えることで子どもの成長につながり、親子関係を良好にすることができるでしょう。

子どもの「自主性」は親の接し方次第で、いくらでも伸ばすことが可能です。過干渉にならず、放任もしない適度な距離で子どもの成長を見守るようにしましょう。

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