トイレトレーニングは子どものオムツ卒業に欠かせないトレーニングです。オムツの卒業を成功させるためには、段階的に根気強くトイレトレーニングを進めることが大切です。
トイレトレーニングの必要性は分かっていても、いつ頃から始めればいいのか、どう進めればいいのかなど、親にはさまざまな疑問や不安がつきまとうでしょう。もしトイレトレーニングが順調に進まなければ、不安や焦りも募るでしょう。
そこで、当記事ではトイレトレーニングを始める時期や方法、進めるときのコツについて詳しく解説します。幼稚園の入園までにオムツを卒業させたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
1. 3歳までにトイレトレーニングをしないと入園前のオムツ卒業に間に合わない?
オムツを卒業できる時期は子どもによって異なります。1歳半で卒業できる子どももいれば、3歳になっても卒業できない子どももいるため、ほかの子どもよりも卒業が多少遅れていたとしても、過度に心配する必要はありません。
ただし、3歳までにはトイレトレーニングを始めることをおすすめします。トイレトレーニングを始めてから達成できるまでの期間は子どもによって異なるため、3歳以降に始めると幼稚園入園までに間に合わない可能性があるためです。
1-1.子どもがオムツを卒業できない原因3選
子どもがオムツを卒業できない原因はさまざまです。ここでは3つの原因を挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
・親がプレッシャーをかけている
オムツを卒業させたいという気持ちから、サポートの域を超えて強いプレッシャーをかけてしまう親もいます。しかし、必要以上のプレッシャーは子どものオムツ卒業にマイナス効果となる場合もあります。
例えば、トイレを失敗する度に親から怒られてしまうと子どもは萎縮するため、オムツを外せない状態が長引いてしまいます。
・トイレを避けてしまう
幼い子どもにも「恥ずかしい」という感情はあります。例えば、保育園などにおける集団生活の中で、オムツを外している周囲の子どもたちとまだオムツをしている自分を比べ、恥ずかしさを感じる子どもは少なくありません。
周囲の子どもたちにオムツ姿を見せたくないという理由でトイレに行くこと自体を避けてしまい、トイレトレーニングが進まなくなってしまう子どももいます。前向きにトイレトレーニングに挑戦しなくなると、オムツの卒業も容易ではなくなるでしょう。
・まだオムツを外せる体になっていない
身体の機能が十分に発達していないこともオムツを卒業できない原因の1つです。大人にとっては、尿意を感じたらトイレに行って排尿するということは当然の行為です。しかし、心身の機能が十分に成長していない子どもの場合、尿意を感じたと同時に排尿をしてしまうことも多々あります。
尿意の認知や排尿の我慢などができるよう、脳や身体が十分に発達することもオムツの卒業には必要です。脳や膀胱の発達は個人差があるため、焦らずに見守ることも大切です。
2.【STEP別】3歳の子どものトイレトレーニング方法!
子どものトイレトレーニングを始めるタイミングはいくつかあります。例えば、排尿の間隔が2時間以上空くようになったり、尿意を感じて意思表示できるようになったりしたときはトイレトレーニングを始めるタイミングと考えてもよいでしょう。
上記のようなサインがあれば、さっそくトイレトレーニングを始めましょう。ここでは、4つの段階に分けて方法を解説します。
2-1.【STEP1】トイレに関心を持ってもらう
まず、子どもにトイレの存在を知ってもらうところから始めます。これまでオムツを使ってきた子どもにとって、トイレは未知の世界です。そこでまずは、子どもがトイレに関心を持つようなトレーニングから始めましょう。
日常生活の中で家族がトイレに行く様子を見せることは、トイレへの関心を持たせ、何をする場所かを教える方法の1つです。また、絵本やビデオなどの活用もおすすめです。遊びの要素を取り入れながらトイレについて学べる絵本やビデオは数多くそろっています。
2-2.【STEP2】子どもをトイレに誘ってみる
子どもがトイレに関心を持ち始めたら、実際にトイレを使うように誘ってみましょう。子どもがトイレに行きやすいように清潔にするだけでなく、明るい雰囲気を保つことも大切なポイントです。
ただし、嫌がる子どもをトイレの便座に力づくで座らせることはあまりおすすめしません。強制されると、トイレに対する印象が悪くなる可能性があるためです。
トイレに行くことに抵抗がなければ、朝起きた後や食事の前後、夜寝る前などにトイレに誘うようにします。トレーニングを繰り返すことで、自然とトイレに行くことが当たり前の感覚になるでしょう。理想は、子どもから自発的に「トイレ」と言い出すようになることですが、決して焦らず根気強く続けることが大切です。
2-3.【STEP3】トレーニングパンツを履く
トレーニングパンツとは名前の通り、オムツ卒業をするためのトイレトレーニング用パンツです。おしっこは吸収しますがオムツと異なり、履いている本人にぬれた感覚を与えることができます。つまり、オムツでありながらおもらししたときの不快感を体感できる製品です。
トレーニングパンツの素材は紙製と布製の2タイプがあります。紙製は使い捨てできる点がメリットですが、布製よりもコストがかさみます。一方、布製は見た目が普通のパンツに近く、デザインが豊富で何度も洗濯して使える点がメリットとなっています。ただし、紙製と比べると吸収力が劣り、洗濯の手間もかかるでしょう。
紙製と布製のメリット・デメリットを考慮した上で、子どもに合ったトレーニングパンツを選びましょう。
2-4.【STEP4】自宅以外のトイレで挑戦させる
自宅でのトイレトレーニングが順調に進んできたら、次は自宅以外のトイレで挑戦させます。外出して公共トイレなどを使うときは、下準備が必要です。まず、子ども用トイレがある公園や児童館などの場所をあらかじめ調べておきます。さらに、脱いだり履いたりしやすい服装をさせ、失敗した場合のために予備の着替えを持参しましょう。
また、日中のトイレトレーニングに成功した後は、夜のトイレトレーニングにも挑戦しましょう。昼間のオムツが外れた子どもでも、夜の寝ている間はおねしょをしてしまうということも珍しくありません。膀胱の成長具合や尿の量を減らす「抗利尿ホルモン」の分泌が少ないなどの原因もあるためです。
昼のオムツを卒業してもおねしょを繰り返す場合、夜間はオムツを利用しましょう。朝起きてオムツがぬれていない日が続いたら、夜間もパンツを履かせてみてください。
3.【3歳】トイレトレーニングを進めるときのコツを3つ紹介!
親は、「ほかの子どもと比べても仕方ない」と思いつつも、つい自分の子どもと周囲の子どもたちとをさまざまな面で比較してしまいがちです。オムツの卒業についても例外ではありません。
しかし、トイレトレーニングを進めるときは、周囲の子どもたちと比較しないことが大切です。成長のペースには個人差があります。子どものペースに合わせ、周りと比べるのではなく、子ども自身の成長具合を比較して進めるように心がけましょう。
以下では、トイレトレーニングを進めるときのコツを3つ紹介します。
3-1.とにかく褒める
トイレトレーニングの最中に失敗が連続すると「どうしてできないの」と、声を荒げたくなることもあるでしょう。しかし、親のいらだちは子どもを心理的に委縮させ、トイレトレーニングの進行を妨げてしまう可能性があります。
トイレトレーニングで大切な点は、とにかく褒めて自信をつけさせることです。子どもが少しでも成功したら、「おしっこいっぱい出たね」「おしっこって言えたね」などと褒めてください。3歳前後の子どもの場合は、具体的に褒めることもポイントです。たとえ失敗したとしても、「じゃあ次はムズムズしてきたら教えてね」と褒めながら段階を上げていきましょう。前向きに声かけをすることが大切です。
3-2.トイレの雰囲気を明るくする
子どもは狭い空間であるトイレに恐怖感を抱くことがあります。恐怖感のような負の感情を持つと、トイレトレーニングも順調に進みません。雰囲気を明るくしたり、最初は扉を開けたままにしたりすることで、子どもが「トイレは怖くない場所」と思えるようにしましょう。
明るい照明を使うだけでもトイレの雰囲気は明るくなります。さらに、子どもの好きなキャラクターのポスターを貼ったり、かわいい補助便座や雑貨などを置いたりすることも、雰囲気をより明るく楽しい空間にするおすすめの方法です。
3-3.時にはトレーニングを中断する
トイレトレーニングに行き詰ってしまったときは、思い切って中断することもよいでしょう。オムツを卒業できないストレスは、親だけでなく子どもにも溜まります。
トイレトレーニングをしばらく中断して、子どものストレスやプレッシャーを取り除いた後で再開すると、中断前よりもスムーズに進む可能性もあります。焦りは禁物です。根気強くトレーニングを進めましょう。