子どもの想像力を伸ばすと、勉強や将来の仕事が円滑に進むと言われています。しかし、想像力を培うためには、子どもとどのように関わればよいのか、何をしたらよいのか、悩みは尽きません。
当記事では、想像力の重要性を解説した上で、想像力を培う具体的な遊びや習い事を紹介します。子育てで注意するポイントや、日常生活のちょっとした工夫を知ることで、子どもの想像力はさらに膨らむ可能性があります。将来、子どもが力を発揮できるようサポートしたい人は、ぜひ当記事を参考にしてください。
1. そもそも「想像力」とは?
想像力とは、目の前にないものを思い浮かべ、未来について思いを巡らせる力
のことです。
(出典:コトバンク「最新 心理学事典」)
日常生活のあらゆる場面で、豊かな想像力が役立ちます。例えば、相手の立場を想像することで人間関係が円滑になるでしょう。学習や仕事の場面で想像力を働かせることができると、目的のためにどのような役割を果たしたらよいのかを考え、成果を出しやすくなります。
想像力には、これまでに経験した事象や記憶した物事が関係します。子どもには遊びや学びを通じて、さまざまな経験をする機会を作りましょう。
1-1. 文部科学省が提起する「想像力」の重要性
文部科学省は、想像力を「他者の気持ちを理解し、人生をより豊かなものとする」
と評価し、想像力の育成を教育の課題に掲げています。
想像力は他者との関わりの中で育まれますが、近年は地域関係の希薄化によって、子どもが社会と関わる機会が減りつつあります。学校教育は、社会と関わりを持つきっかけです。
子どもは、学友や先生などと良好な関係を築くためにどうすればよいか、想像力を働かせます。相手の立場になって考え、自分の発言や行動がどういった影響を及ぼすのか思いを巡らせることで、子どもは主体的に判断し、行動できるようになります。
想像力は、子どもの社会的自立に欠かせません。文部科学省は、感性や想像力、表現力を育成することは「豊かな心と健やかな体を育み、社会的自立の基礎を培う」
としています。
(出典:文部科学省「2 教育内容等の改善の方向」)
2. 子どもの想像力を伸ばすためにおすすめの遊び3つ
子どもの想像力を伸ばすために、遊びは重要な要素の1つです。遊びを通じて子どもは脳を活発に動かし、想像を形にします。また、大人や他の子どもと会話しながら遊ぶことで、社会のルールを学び相手の立場を理解しようとします。
ハッピークローバーで紹介する知育教材の多くは、日常生活の中で想像力の向上を目指せるグッズです。以下の遊びを参考に、子どもにぴったりの知育教材を検討しましょう。
2-1. お絵描き
お絵描きは、思い描いたものを表現する過程で、想像力が培われると言われています。例えば公園の絵を描くとき、遊具はどのような形だったかイメージを広げます。子どもは、公園に「こういうものがあったらいい」と自由に想像し、絵に落とし込むかもしれません。
お絵描きの際に気を付けるポイントは、子どもの作品を否定せず、自由な発想に任せることです。例えば、ウサギをテーマにお絵描きをする場合、上手に描かせたいがために「耳は長いよね」と尋ねがちですが、「耳はどういう形かな」と質問します。子どもが描くテーマを「こうだよ」と決めつけず、自由に描ける雰囲気を作りましょう。
2-2. ごっこ遊び
ごっこ遊びは、人間関係を築くために必要な想像力を育むよい機会です。子どもはごっこ遊びをする中で演じる役や頭の中の情景を想像し、想像を周囲に伝えるため、さまざまなコミュニケーション方法を試します。また、子どもは、一緒に遊ぶ友だちが「どうしたいのか」思いを巡らせ、自然に相手の立場を考えるようになります。
親が子どものごっこ遊びに関わる場合は、子どもの世界観を壊さないよう注意が必要です。他の子どもと喧嘩になりそうなときや、危険なことは止める必要がありますが、基本的には子どものペースに合わせて遊ぶよう心掛けます。
身近なおもちゃや空き箱などを使用してごっこ遊びを楽しめる環境を整えると、子どもの想像力はさらに膨らむでしょう。
2-3. 砂場遊び
砂場は決まった遊び方がないため、子どもが遊び方を自由に想像できる場所です。砂と水で山を作る、きれいな泥団子を作る、砂を料理に見立てるなど、無限の遊び方があります。砂場では他の子どもと遊ぶ機会も多くなるため、物の貸し借りなどを通じて社会性を学べることも魅力です。
砂場では、衛生面と安全面に配慮しましょう。幼い子どもの場合、砂や泥を口に入れる可能性があるため、目を離さないようにしましょう。公園の砂場は自治体などが衛生管理に気を配っていますが、念のためにゴミなどがないか見ておくと安心です。
3. 子どもの想像力を伸ばすためにおすすめの習い事4つ
習い事は子どもの世界を広げます。習い事を通じて、普段の生活ではできない経験を積むことで、子どもの想像力によい影響があります。
習い事は子どもの興味や適性に合わせ、自信を持って取り組めるものを選びましょう。興味のない習い事や難しいレッスンは、子どもの負担になります。
以下で紹介するのは、子どもの想像力を伸ばすために幼い頃からできる習い事です。
3-1. 楽器演奏(ピアノなど)
楽器演奏は、心身の発達を促す効果があると言われています。楽器を演奏するためには音符を理解し、体を動かして音を出すという作業が必要です。複数の動作を同時に行うことで脳は活発に動き、想像をより深めるための力が養われます。
楽器演奏を習うときに心配されるのが、楽器の大きさや音の問題です。特にピアノは、家庭で十分なスペースを確保する必要があります。また、住んでいる場所や家のつくりによっては、騒音トラブルに発展しかねません。
設置場所や音のトラブルが懸念される場合は、電子ピアノやキーボードも選択肢の1つです。電子ピアノやキーボードは場所を取らない上に、ほとんどの機器がヘッドホンに対応しているため音の問題も心配ありません。習い事で人気のバイオリンやドラムにもサイレント機能を搭載したものがあるため、安心して練習できます。
3-2. 料理教室
料理教室は、生活スキルを高めるだけでなく、想像力を鍛える手段としても有効です。料理をするために、まず作りたいものを想像し、次に材料や手順を考えて実行に移します。料理は、「これを作りたい」と考え、形にする力を磨く手段の1つです。
料理教室は、2~3歳頃から親子一緒に参加できるところもあります。子どもが料理に興味を持ったタイミングで、レッスンを始められる点が魅力です。
レッスンを受ける際のポイントは、「失敗しても大丈夫」という気持ちで臨むことです。子どもがやりたがる作業はなるべく任せ、達成感を得られるようにしましょう。
3-3. リトミック
リトミックの目的は、音楽に触れ合い、心身の発達を促すことです。主に、音楽に合わせて動いたり、楽器を使って表現したりします。また、工作などを取り入れ、想像力をさらに伸ばす取り組みを行っている教室もあります。
自分で音を表現できる年齢になると、子どもは動物や乗り物といったテーマをイメージし、楽器で表現するレッスンを行うようになります。テーマに合った音を模索する体験は、想像力を鍛える貴重な機会です。
なお、リトミックはすぐに効果が期待できる習い事ではありません。子どもが楽しく参加しているのであれば、長期的なスパンで見守りましょう。
3-4. ロボット教室
ロボット教室は、想像力や問題解決能力を身につけられることから人気の習い事です。思い通りの作品を作るために必要な部品を考え、形にする過程は想像力を育むでしょう。
レッスン内容は年齢によって変わり、幼児のうちはブロックなどを用いて物作りの楽しさを学びます。小学生になると、まずは手本通りにロボットを作り、パーツやモーターを工夫してロボットをカスタマイズするレッスンに移行するのが一般的です。
ロボット教室は成績に直結する習い事ではありません。しかし、想像力や問題解決能力は生きる力の育成につながるため、子どもの将来の選択肢を増やせる可能性があります。