お箸は細かい指先の動作が必要なため、子どもにとっては難しいものです。スプーンやフォークで1人食べが上手にできるようになると、お箸の練習はいつから始めるべきか、どのように教えたらよいか気になる保護者の方もいるでしょう。
トレーニング箸などのグッズを使い、ポイントを押さえて繰り返し練習させれば、短期間でお箸を習得することが可能です。
この記事では、子どものお箸の練習はいつからすればよいのか、トレーニング箸の概要と選び方、練習するときのポイントを解説します。
1.お箸の練習を始めるおすすめのタイミング3選!
お箸は、親指・人差し指・中指の3本の指で持ち、手首を上手に動かしながら使います。手指の細かい動きにより道具を使ったり操作したりすることを微細運動と言い、お箸を使うことは微細運動の中でも高難度の動作です。そのため、手指の発達状況を見ながら練習を開始する必要があります。
一般的に、2~3歳頃にお箸トレーニングを始められると言われていますが、成長スピードには個人差があるため、年齢はあくまで目安と考えましょう。
以下では、お箸の練習を始めるのにおすすめのタイミングを紹介します。
1-1.スプーンやフォークが使えるようになったとき
スプーンやフォークを持つとき、親指・人差し指・中指の3本の指を使い、3点持ちできていれば、お箸の練習の始めどきです。子どもの1人食べは手づかみからスタートし、1歳頃からスプーンやフォークが使えるようになります。
手指の発達は「にぎる」動作から、指先で「つまむ」、指などの関節の動きを組み合わせる、という流れで発達します。そのため、スプーンやフォークを上からにぎるように持っているうちは、お箸の練習は早いでしょう。
1-2.幼稚園や保育園でお箸の練習が始まったとき
年中から年長にかけて、多くの幼稚園や保育園でお箸の練習が始まります。幼稚園や保育園でお箸の練習が始まるのをきっかけに、家庭でもお箸の練習を始めましょう。
園でお箸の練習が始まると、周りの友達と一緒に練習するため競争心や意欲が湧き、「早くお箸が使えるようになりたい」という気持ちになります。やる気が出ると集中力が増すため、練習の成果が出やすいと言えます。子どもの気持ちを後押しするスタンスで自宅でも練習を継続すれば、早くお箸の使い方を身につけることも可能です。
1-3.子どもがお箸に興味を持ち始めたとき
子どもが、家族や友達がお箸を使っているのを見て興味を持ったり、使いたがったりしていれば、お箸の練習へのモチベーションが高い状況です。モチベーションが高ければ、習得も早くなるためお箸の練習を開始するにはよいタイミングでしょう。
前述の通り、お箸を使えるようになるには手指の発達が必要です。お箸に興味を持っていても、発達状況が伴わない場合もあるでしょう。手指の発達が十分でない場合は、まずは子どもが好きなお箸を購入し、使えるようになることを目標に、できることから練習を重ねるのも一案です。
2.お箸の練習に最適!「トレーニング箸」とは?
お箸の練習を開始する際は、子ども用の「トレーニング箸」が最適です。トレーニング箸は、さまざまなサポートがついたお箸で、初めてでも簡単に正しくお箸が持てたり、食べ物をつまんだりすることができます。また、持ち方を矯正することも可能です。お箸の練習を始めるなら、まずはトレーニング箸で感覚をつかむとよいでしょう。
トレーニング箸は、お箸がバラバラにならないよう連結されたものや、バネで閉じ開きをサポートするもの、リングやくぼみなどで指の位置をガイドするものがあります。
2-1.トレーニング箸の選び方3つ
トレーニング箸(矯正箸)には、さまざまな種類の商品があります。特徴を理解した上で、子どもに合ったお箸を選びましょう。
長さで選ぶ | お箸は、長すぎても短すぎてもうまく持てません。人差し指と親指を直角に開き、両方の指先を結んだ長さの1.5倍がちょうどよい長さです。 |
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タイプで選ぶ | ・お箸が連結しているタイプ お箸がバラバラならず持ちやすいメリットがあります。リングつきタイプは、リングに指を通すだけで簡単にお箸が持てるため人気です。連結部分にバネがあるタイプは、お箸の開閉をサポートし、指先の力が小さい子どもでも簡単に使えます。 ・お箸が連結していないタイプ |
素材で選ぶ | ・木製 手になじむ天然素材で滑りにくく、麺などつるつるした食品を食べやすい素材です。一方で、長時間水に浸けられない、乾きにくいなどお手入れに手間がかかります。 ・プラスチック製 |
左利きの子どもには、左利き用のトレーニング箸も販売されています。
3.お箸の練習では「正しい持ち方」を順番に教えよう!
トレーニング箸は、練習用として使用するのに便利なグッズです。しかし、長期間使うと便利さに慣れて普通のお箸を使いたがらなくなるケースもあります。トレーニング箸でお箸を持つ感覚をつかんだら、普通のお箸を持つ練習もしましょう。
お箸の正しい持ち方は、以下のように順を追って教えることが重要です。
(1) | お箸を1本だけ使い、親指・人差し指・中指の3本の指で軽く持ちます。親指は人指し指の爪の横(鉛筆の持ち方)が正しい位置です。 |
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(2) | お箸の1本持ちが正しくできるようになったら、お箸を持った状態でもう1本のお箸を差し込みます。親指のつけ根から差し、薬指の爪の横で固定します。 |
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(3) | 下のお箸は動かさず、上のお箸だけを動かし、閉じる・開くの動作を繰り返します。開閉がうまくできない場合は、お箸を1本にして箸使いの練習をします。 |
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3-1.遊びを重視した練習もおすすめ!
子どもがお箸になかなか興味を持たなかったり、スプーンやフォークばかりを好んで使っていたりする場合もあるでしょう。遊びを重視した練習方法なら、楽しさがプラスされ、お箸の練習に前向きに取り組みやすくなります。
たとえば、粘土で好きな食べ物を作ってもらいお皿に乗せれば、おままごとの延長線でお箸の練習ができます。粘土は弾力があってつまみやすい上、落としても床を汚さないため、安心して何度でも練習を重ねられる点がメリットです。食器ではなく箱に詰めてお弁当スタイルにすれば、難易度を少し高くできます。
ハサミを使う動作は指先を動かす訓練になり、お箸の上達につながります。保護者の見守りのもと、切り紙や貼り絵を楽しむのもよいでしょう。ハサミは、幼児用の先が丸くなったタイプが安全です。
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