子どもの考える力はなぜ重要?伸ばす方法を3つ紹介

子どもの考える力はなぜ重要?伸ばす方法を3つ紹介

文部科学省が発表している学習指導要領は約10年ごとに改訂されており、2020年以降に始まった新学習指導要領では「考える力」の育成を特に重視しています。子どもの考える力を伸ばすためには、机に向かって行う勉強だけでなく、毎日の遊びや生活の中で考えるきっかけを増やすことが大切です。

当記事では、子どもの考える力を伸ばすための具体的な方法や、親や周囲の大人が留意したいポイントについて解説します。小さな子どもを持つ人は、ぜひ参考にしてください。

1. 学校教育では子どもの「考える力」が重要視されている

2020年度に始まった学習指導要領では、激しく変わり続ける社会の中で自ら進んで物事の課題を見つけ、主体的に思考・判断して行動を起こすことが重視されています。

出典:文部科学省「平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介」

かつての学校教育は、教師から子どもへの一方向的な授業と暗記型学習が中心でした。多くの子どもは、知識を蓄積しテストの点数を上げること、よい高校や大学へ進学することを期待されました。しかし、こうした教育では子どもの発想力や応用力が育ちにくく、マニュアル通りには動けるもののマニュアルに載っていないことに対応できない人が増えたと考えられます。

マニュアルや既存の価値観にとらわれず、柔軟に判断して行動できる人材を育てるためには、子ども一人ひとりの「考える力」を伸ばす教育が鍵となるでしょう。

1-1. 子どもに考える力が求められる理由

子どもに考える力が求められる主な理由は、次の2点です。

・不確実性の高い社会に子どもが対応できるようにするため

コロナ禍を機に人々の価値観や行動様式は一変し、多くの人は変化に戸惑いながらも少しずつ新しい生活様式に順応しています。しかし、コロナ禍が収束した後も、意外なきっかけで社会が大きく変わる可能性はゼロではありません。未知の物事について積極的に考える力やスムーズに受け入れる柔軟性があれば、社会の変化にも対応しやすくなるでしょう。

また、現在人間が担っている仕事の一部は、将来的にAIに取って代わると予想されています。AIが発達した未来の社会で活躍するためには、人間が持つ複雑な思考力や判断力などが欠かせません。

・問題解決の際に考える力が必要であるため

問題や悩みを抱えている子どもに周囲の大人が助け船を出しすぎると、子どもの主体性が育ちにくくなります。他者から助けられてばかりの環境で育った人が社会に出ると、問題が起こったときにどうすべきか判断できなくなるでしょう。

また、他人の意見に流されてばかりで自分の意見を持てない大人になる可能性もあります。子ども自身が考えて行動する習慣づくりは、問題解決のために重要です。

2. 子どもの考える力を伸ばす方法3選

子どもの考える力を伸ばしたい場合は、まず子どもとの会話を増やすことが重要です。子どもが小さいうちは親子で会話する機会が多く、親子の会話を工夫することで考える力を育てるチャンスが多くなります。あまり難しく考えず、いつも通りの会話をしながら次のポイントを少しずつ意識するとよいでしょう。

2-1. 会話を通して子どもに考えさせる

会話を増やすことで、話を聞いて情報をインプットする力や自分の意見を言葉にしてアウトプットする力が身につきます。会話を通じてそれまで知らなかったことや当たり前と思っていたことを深く考え、「1つの物事についていろいろな捉え方がある」と知ることも大切な学びです。

子どもから質問されたときは、すぐ答えを返すよりも「○○ちゃんはどう思う?」「もし△△だったらどうなるかな?」などと質問を返してみましょう。もし子どもが間違ったことを言っても、話をさえぎらずに最後まで聞くことを心がけます。答えそのものが間違っていても思考プロセスはおおむね正しかったり、問題を違う視点から捉えて新たな気づきを得るきっかけになったりすることがあるためです。

2-2. 疑問を一緒に調べる

子どもと一緒に図鑑やインターネットなどで調べものをして、身近なテーマで簡単な実験をすることも、考える力や知的好奇心を育てるためのよい方法です。ただ調べるだけでなく事前に仮説を立て、調べて得た情報をさらに深堀りして考えると、知識や興味の幅を広げられるでしょう。

メディアに溢れる情報の中には、正しいとは言い難いものもあります。また、現在正しいとされている情報が今後も正しい情報であり続けるとは限りません。疑問を疑問のまま放置せずに調べる習慣づけは、必要な情報を正しく得るスキルづくりの第一歩です。さまざまな情報について積極的に疑問を持って考えることで、多角的な視点から物事を捉えるスキルが育つでしょう。

2-3. 子どものやりたいことをさせる

親が何でも先回りして子どもに与えるより、本人が心から楽しめることを自由に体験させることが重要です。子どもが危険なことをしたときはきちんと叱るほうがいい一方、そうでない場合はなるべくおおらかに見守りましょう。

子どもが何かをしている過程で行き詰まったように見えたり、1つのことが長続きしなかったりしても、親がむやみに口を出すことはおすすめできません。子どもが自ら課題の解決方法を見つけて興味・関心の幅を広げるためには、子どもなりに試行錯誤を重ねていろいろな経験を積むことが欠かせないためです。

3. 子どもの考える力を伸ばすために親が意識したいポイント

子どもの人格・能力を作る要素は、本人が生まれ持った気質だけでなく、周囲の大人や家庭環境からどのような影響を受けたかも重要なポイントです。言い換えれば、親が適切に子どもと関わってサポートすることで、子どもの能力を伸ばすチャンスが大きく増えます。

ここでは、子どもの考える力を伸ばすために親が取り組みたいポイントを紹介します。

3-1. 必要以上に口出しをしない

子どもの自主性や判断力を育てるためには、子どものやることに口を出したり、子どもが直面している問題に先回りして答えたりしないことが大切です。また、子どもの間違いを頭ごなしに否定するのも避けましょう。間違いを否定すると、子どもは失敗や叱責を恐れてしまい、自ら考えて行動する力が育ちにくくなってしまいます。

最低限の安全を確保しつつ本人の気持ちを尊重し、必要に応じて親がお手本を見せながら、子ども自身がさまざまなことを学べるようゆったり見守りましょう。

3-2. 問いかけは具体的にする

子どもに質問をするときは、なるべく具体的かつ答えやすい内容の問いかけを心がけましょう。

子どもがまだ小さい場合は、「どの靴を履く?」と聞くよりも「この青い靴とあの赤い靴のどっちを履きたい?」などと具体的な選択肢を提案すると答えやすくなります。「遠足でいっぱい歩くためにはどの靴を履いたらいいと思う?」というように、目的を提示しながらの問いかけも効果的です。

小学生の子どもに対してはつい「学校どうだった?」などと声をかけたくなりますが、多くの子どもにとってこうした質問は漠然としすぎていて答えようがありません。「今日の図工の時間は何を作ったの?」など、具体的な話のきっかけを作ると話題が広がりやすくなるでしょう。

4. 子どもの考える力を伸ばすにはプログラミングや知育教材がおすすめ!

子どもの考える力を伸ばす手段として、プログラミングが注目されています。小学校などの授業やプログラミング教室はもちろん、日常生活の中でプログラミング的思考を育てることも可能です。多くの家事は複雑な手順と臨機応変な対応によって成り立っているため、積極的にお手伝いをしてもらうことでプログラミング的思考が身についていくでしょう。

近年、考える力のトレーニングに役立つ知育教材が多数登場しています。必ずしも最新の教材やおもちゃにこだわる必要はなく、親世代が子どものころに遊んだブロック・パズル・ゲームなどで考える力を育てることも可能です。遊びを通じて親子のコミュニケーションを楽しみながら、自然に考える力を伸ばせるでしょう。

まとめ

激しく変化し続けるこれからの社会を生き抜くためには、自ら進んで課題に挑戦する力や自分の頭で物事を考えて判断する力が欠かせません。子どもの考える力を伸ばすためには、日常生活や遊びを通じて子ども自身が思考・表現する機会を増やすことがポイントです。

ハッピークローバーでは、考える力の育成に役立つさまざまな知育教材を取り扱っています。親子・きょうだいで遊べるものも多いため、家族のコミュニケーションツールとしてもぜひご活用ください。

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