小学校で図形の勉強が始まる前に、子どもに図形の感覚を身につけさせておきたいと考える人もいるのではないでしょうか。小学校低学年はもちろん、未就学児にもおすすめの知育パズルが「タングラム」です。
タングラムはさまざまな遊び方ができるパズルであり、子どもを図形に親しませることができます。当記事ではタングラムのメリットを中心に解説し、タングラムの特徴や効果的な遊び方も紹介するため、幼児教育ができる知育玩具を選びたい人はぜひ参考にしてください。
1.タングラムとは?特徴と歴史
タングラムとは、7つのピースを組み合わせて図形を作るパズルです。ピースを組み合わせて図形を作るパズルは「シルエットパズル」と呼ばれ、タングラムもシルエットパズルの1種です。タングラムのピースは下記の図形で構成されています。
- ・直角二等辺三角形:大2片、中1片、小2片
- ・平行四辺形:1片
- ・正方形:1片
図形のピース同士を組み合わせて正方形の外枠に収めたり、問題集に載っている特定の図形・シルエットを作ったりすることが、タングラムの基本的な遊び方です。
タングラムの歴史や起源については断定ができないものの、18世紀の中国が発祥であると言われています。後にタングラムはヨーロッパやアメリカなど世界中に伝わり、幾何学の要素があるパズルとして流行しました。タングラムは現代でも、子どもから大人まで多くの人が楽しめるパズルとして親しまれています。
1-1.タングラムは何歳から遊べる?
知育玩具として販売されているタングラムは、一般的に3歳以上を対象年齢に設定しています。しかし、タングラムは2歳からでも遊べるパズルです。
2歳児は数や図形の理解が発達し、タングラムのピースで図形を作る遊びができます。最初のうちはピース数を2つや3つだけで遊ばせて、子どもが図形作りに慣れてきたらピース数を増やす遊び方がおすすめです。
2歳児をタングラムで遊ばせるときは、必ず親が近くで見守りましょう。子どもがピースを誤飲したりピースの角で怪我したりしないように親が注意してあげることで、2歳児でも安全にタングラムで遊ぶことができます。
2.【知育玩具】タングラムのメリット6つ!
タングラムは幼児教育での教材としても使われるケースがあり、子どもの知的発達にプラスの効果が期待できます。タングラムの主なメリットは下記の6つです。
- ・達成感を味わえる
- ・図形の感覚が身につく
- ・想像力が養われる
- ・集中力が身につく
- ・後片付けの意識が身につく
- ・長く遊べる
それぞれのメリットについて、子どもがタングラムで遊ぶことを通して期待できる効果を中心に解説します。
2-1.達成感を味わえる
タングラムでさまざまな図形を完成させることで、子どもが達成感を味わえる点がメリットです。達成感を味わうことは自己肯定感の獲得に欠かせない要素であり、子どもが「自分はできる」という気持ちを持って物事にチャレンジする効果が期待できます。幼児教育を進めていくためには、自己肯定感につながる達成感を子どもに味わわせることが非常に重要になります。
タングラムで子どもに達成感を味わわせるポイントは、「図形の完成」という目標を子どもに達成させることです。パズルとしての難易度は低くても問題ないため、目標を達成する喜びを子どもに感じてもらいましょう。
2-2.図形の感覚が身につく
タングラムは三角形や平行四辺形、正方形などのパーツを組み合わせて、新たな図形を生み出すことができる知育玩具です。タングラムで指定の図形を完成させるためには、図形の形状を認識して、ピースの組み合わせを想像できる能力が求められます。ものの形の特徴や違いを捉え、何を組み合わせれば目的の図形が作れるのかを思考するといった過程を辿ることで、図形感覚を養うことができるでしょう。
幼いころから図形の感覚を養った子どもは、数学の図形問題に強くなる効果が期待できます。解法があり、パターンを覚えれば回答できる計算問題と違い、図形問題はパターンがあまりにも多く、少し形が異なるだけで暗記では対応できなくなります。図形問題が苦手な子どもは多いため、幼いうちからタングラムで図形に対する感覚を育成することで、受験時などはほかの子どもより一歩リードすることができるかもしれません。
また、図形の感覚は視覚的な能力に大きな影響を与えると言われており、子どもの美的感覚やバランス感覚を養う上でも役立つでしょう。
2-3.想像力が養われる
タングラムのピースを組み合わせて図形を作ることで、子どもの想像力が養われます。想像力とは、見たり聞いたりしたことのない事象を頭の中でイメージして理解できる能力です。想像力は問題を解決するための道筋を考えるときや、新しいアイデアを生み出すときに使われることが多いです。
タングラムで遊ぶ子どもは、「どのように組み合わせれば正解に近づくか」を考えながらピースを組み合わせます。実際に手を動かして正解と違っていれば、イメージを修正して再度ピースを組みなおすでしょう。正解をイメージして、正解に至る道筋を考えるようになれることが、タングラムで想像力が養われる理由です。
2-4.集中力が身につく
遊び方がシンプルで、完成させたい図形通りにできているかどうかがすぐに分かるタングラムは、子どもに集中力を身につけさせたいときにも最適です。ほかのことに気を取られやすい好奇心旺盛な子どもでも、図形を完成させるという目的に向かって一心に取り組むことができるでしょう。
子どもは集中力の維持が苦手であるものの、瞬間的であれば大人よりも高い集中力を発揮できる傾向にあります。タングラムは子どもが集中力を発揮する練習となり、繰り返し遊ばせることで高い集中力を長時間維持できる効果も期待できるでしょう。
2-5.後片付けの意識が身につく
子どもには使ったものをきちんと片付ける習慣を身につけさせたい、と考える人は多いでしょう。タングラムで指定の図形を作る遊びをすることで、後片付けの意識が身につくかもしれません。
タングラムはピース同士を隙間なく組み合わせる遊びです。特に三角形や四角形といった基本図形を作るときは、複数のピース同士をぴったりと合わせなければなりません。タングラムをしまうときも、ピースを綺麗に枠内へと収納する必要があるため、後片付けを習慣づけるきっかけとなるでしょう。また、タングラムはおもちゃの後片付けだけではなく、子どもが普段から持ち物を整理整頓したいと意識する効果も期待できます。
2-6.長く遊べる
タングラムは7つのピースを組み合わせるシンプルなパズルでありながら、長く遊べる点がメリットです。四角形や三角形を作る遊び方だけではなく、複雑な図形を作る遊び方も可能で、作成できる図形の例が紹介されている問題集も多数販売されています。たくさんの例題にチャレンジできるため、子どもが飽きにくく、親も一緒に楽しむこともできるでしょう。
また、タングラムは図形を完成させるための正解パターンが1つではなく、複数の正解パターンが存在する点も特徴です。指定の図形を完成させた後は、完成形からピースを組み替えて同じ図形が作れるかを試させるなど、子どもの創造力を膨らませる遊び方もあります。
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3.タングラムのメリットを高めよう!おすすめの遊び方を紹介
タングラムで作れる図形は多くの種類があり、複雑な図形は難易度が高くなります。タングラムのメリットを高めるためには、子どもの成長に合った難易度で遊ばせることが大切です。
子どもにタングラムを遊ばせるときは、まずは自由にピースを並べる遊び方をさせて、子どもが楽しめることを重視します。自由な発想で図形を作る楽しさを子どもに味わわせることで、「もっとタングラムで遊びたい」と思ってくれるようになるでしょう。
タングラムにある程度慣れたら、必要なピース数が少ない簡単な問題から取り組むことがおすすめです。三角形・正方形・台形を作る問題は、複雑な図形の作り方を理解する助けとなります。
子どもがタングラムの簡単な問題に慣れたら、7つのピースすべてを使う上級の問題にも取り組ませてみましょう。問題の例として「ハト」を紹介します。
取り組ませる問題は、動物や乗り物などの子どもが興味を持ちやすいシルエットの図形がおすすめです。簡単な漢字やアルファベットのシルエットを問題にすることで、タングラムを通して言語への興味を持たせることもできます。