日常生活を生きる上でも、仕事をする上でも、本を読むことは大切と言われています。読書で多くの日本語・文章に触れることで、記載されている情報を整理し内容を理解する「読解力」や、伝えたいことを分かりやすく伝える「文章力」が自然と養われるためです。
生きる中で、聞く力や話す力はどのシーンにおいても役立ちます。そのため、子どもには小さな頃から読書習慣を身につけさせたいと考えている保護者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもに読書習慣を身につけさせるための方法や注意点などを詳しく紹介します。子どもには読書を楽しめるようになってほしいと願う人は、ぜひご覧ください。
1. 読書をする子どもの数は少ない?
読書にはさまざまな効果があり、デメリットのない活動です。小学校や中学校では読書活動が推進されており、読書感想文が宿題となるケースも珍しくありません。そのため、小学生・中学生にとって本は比較的身近な存在ですが、高校生となれば小学生や中学生に比べて読書量が急激に少なくなり、1か月に1冊も読まない人も出てきます。
栃木県が調査した「子どもの読書活動に関する実態調査」では、1か月あたりの読書量について下記のような結果となっていました。
Q.1か月にどのくらい本を読みますか? | |
---|---|
0冊 | |
10冊以上 |
(出典:栃木県「令和3(2021) 年度子どもの読書活動に関する実態調査結果」)
上記のデータから、1か月に本を1冊も読まない高校生は約半数にのぼることがわかります。従って、年齢を重ねるほど読書離れをしやすいと言えます。
また、文部科学省が調査した内容では、高校生が本を読まない理由について下記の結果となっていました。
高校生が本を読まない理由 | |
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ほかの活動で読書をする時間がなかったため | 64.5% |
ほかにしたいことがあったため | 47.3% |
普段から本を読むことはないため | 32.8% |
高校生となるとほとんどの子どもたちがスマートフォン・タブレットを所有しており、動画を見たりゲームをしたりなど新たな楽しみ方も知っています。そのため、読書をするという行為が後回しとなり、機会が徐々に減少していくというケースが目立っています。
1-1. 子どもの頃から読書習慣を身につけるメリット3つ
子どもの頃から読書習慣を身につけるメリットには、下記3つが挙げられます。
●メリット1:想像力が豊かになる
本は、テレビやスマートフォンとは違い映像・音がないため、自ずと文章のみから本の中の世界を想像することとなります。物語を通して主人公と気持ちに共感することで、想像力を養うことが可能です。
●メリット2:知識量が増える
大人が書いた本は、子どもにとって新たな発見となる知識が散りばめられています。本を読む中で「今まで知らなかった言葉や漢字」が出てくると、内容を理解したいという気持ちから積極的に調べるようになるでしょう。新しい知識を自然と吸収できる点は、読書の大きなメリットです。
●メリット3:コミュニケーション能力が培われる
読書は、記載されている情報を整理し内容を理解する「読解力」だけでなく、膨大な言葉のボキャブラリーから伝えたいことを分かりやすく伝える「文章力」も養われます。読解力・文章力はそのまま聞く力・話す力にもつながるため、高いコミュニケーションスキルが身につきます。
2. 子どもに読書習慣を身につけさせる方法5選
子どもに読書習慣を身につけさせたい場合は、幼児期の段階から土台作りに努めることが重要です。土台作りは親の重要な役目となるため、早い段階から本に触れ合わせておくとよいでしょう。
ここからは、子どもに読書習慣を身につけさせる方法を5つ紹介します。
2-1. 読み聞かせをする
幼児期にしていた絵本の読み聞かせも、子どもが大きくなるにつれてだんだんと機会がなくなったという家庭も多いでしょう。
しかし、読み聞かせは本を読まない子どもも自然と本に触れられる機会にもなるため、子どもが大きくなったら絵本ではなく本の読み聞かせに切り替えることがおすすめです。
絵本の読み聞かせから自然に本の読み聞かせに切り替えることで、子どもは抵抗なく読書を始められるだけでなく、読書習慣も比較的スムーズに身につけられるでしょう。
2-2. スキマ時間を活用する
世界観を想像しながら読む本は、限られた時間の中で詰め込みながら読んでも効果は期待できません。読書時間を設けることも大切ですが、どちらかと言えば自然と読書に触れ合えるようスキマ時間を活用させることが重要です。
「読書をしたいのに時間がない」という状況を作らせないためにも、例えば習い事先まで送る際は早めに到着し本を読ませるなど、「読書タイム」を子どもが自ら自由に組み込めるだけの時間の余裕を親が作ってあげるとよいでしょう。
2-3. 図書館に通う
家の近くに図書館があるなら、子どもと一緒に図書館に通うのもおすすめです。図書館にはあらゆるジャンルの本があり、面白い・興味深いと思える本に出会えるきっかけにもなるでしょう。
図書館に行くことにさほど乗り気でない子どもは、公園遊びなどで楽しんだ後の休憩として立ち寄るなどの方法もおすすめです。
2-4. あらゆる場所に本棚を置く
家の中のあらゆる場所に本棚と本を置くことで、子どもの日常生活の中に本を取り込むことができます。本の存在を認識すればするほど、「本を読んでみよう」と思わせられる確率もアップするでしょう。
本棚を設置するなら、リビングなど目につきやすいところがおすすめです。並べる本も子どもが飽きないよう、歴史まんが・推理小説・図鑑・学習参考書・児童書など多種多様なジャンルのものを置いておくと効果的と言えます。
2-5. 親も手本になって読書をする
親が読書を全くしないのと毎日読書をしているのとでは、子どもの読書習慣の定着しやすさも大いに異なります。子どもにしっかり読書習慣をつけさせるためには、親が手本となり子どもの前で日々本を読むことが大切です。
また、単純に子どもの前で本を読むだけでなく、面白い・興味深いと思った部分は子どもに共有したり、感想を聞いたりするのもよいでしょう。
3. 子どもに読書習慣を身につけさせたい場合の注意点2つ
スムーズに読書習慣が身につくかどうかは、子ども自身が読書の楽しさを理解しているかどうかが肝心です。子どもに読書習慣を身につけさせたい場合は、楽しく習慣づけさせることを前提としておきましょう。
最後に、子どもに読書習慣を身につけさせたい場合の注意点を2つ紹介します。
3-1. 本の選び方を知っておく
親が子どもに本を選んであげる場合、ただやみくもに多様なジャンルの本を買うというケースも多々あります。しかし、本の内容が難しすぎる場合は「読みたい」という意欲が失せてしまい、かえって逆効果となります。
そのため、親が子どもに与える本の選び方を知っておくことは基本中の基本と言えるでしょう。最も重要となるのが、「子どもの発達度合いに適しているか」です。子どもの年齢やもっている知識量を把握した上で、その本が適切な内容なのかどうかを確認してから与えるようにしましょう。双方は同じくらいのレベルか、子どもの年齢・知識量よりもやや高いものがおすすめです。本によっては対象年齢が記載されている場合もあるため、このような情報も参考にしておきましょう。
3-2. 読書を強制しない
子どもに読書習慣を身につけさせたいなら、読書を強制してはなりません。親が子どもに読書を強制したり無理にコントロールしたりすることで、子どもは本に対して嫌悪感を抱き、嫌いになってしまう可能性があるためです。
親が子どもにしてあげるべきは、子どもが自発的に「本を読みたい」と思える環境を構築させてあげることです。あくまでも親ができるのはそれまでであり、「この本を読みなさい」といった具体的な指示をしてはなりません。
また、中にはそもそも読書が苦手という読書嫌いの子どももいます。このようなケースにおいては、せめて子どもが本嫌いになってしまわないよう、自発的な読書を促すのではなく、親が隣で本を読み聞かせするなど自然に本と触れ合える環境を作ってあげましょう。
まとめ
読書は想像力が豊かになったり、コミュニケーション能力が養われたりするなどあらゆるメリットのある活動ですが、子どもが大きくなるにつれて機会が消失しやすいことが特徴です。子どもに読書習慣を身につけさせたいのであれば、幼児期から親が適切な環境作りに努めることをおすすめします。
子どもに読書習慣を身につけさせるための方法には、本の読み聞かせをする・図書館に通う・家の中に本棚を設置するなどさまざまあります。このとき、子どもの発達度合いに不適切な本を選んだり、無理やり読書させたりすることはおすすめしません。
大切なのは、子どもが自発的に「本を読みたい」と思えるようになることです。ここまでの内容を参考に、ぜひ子どもが読書習慣を身につけられるよう、環境を整えてみてはいかがでしょうか。