一枚の四角い紙からあらゆる形に変えて楽しめる折り紙は、誰もが遊んだ経験のある人気のアイテムです。カラーも豊富で、ただ折って楽しんだりアートを作ったりなどしてさまざまな楽しみ方ができます。小さな子どもたちにとっては、れっきとした「おもちゃ」となるでしょう。
また、折り紙にはさまざまな知育効果が期待できるため、ぜひ子どもにも体験させたいと考えているママ・パパも多くいます。しかし、手順に沿ってきれいに折るのはやや難しいため、何歳から子どもに折り紙遊びをさせるとよいか分からないという人も多いでしょう。
そこで今回は、折り紙遊びを楽しめる適切な年齢や折り紙遊びのメリットから、期待できる知育効果、基本的な楽しみ方まで詳しく解説します。
1.折り紙は何歳からでも楽しめる!折り紙遊びのメリット3つ
折り紙遊びは、基本的に何歳からでも楽しめます。折り紙は正しい遊び方というのがなく、誤飲や紙のフチで指を切ることさえ気を付けていれば0~1歳の子どもでも問題なく遊べるでしょう。
しかし、何らかの形を手順に沿って折る場合はある程度の理解ができる年齢でなければ困難で、上手に折るためには経験も必要です。
また、折り紙遊びを取り入れることにはいくつかのメリットもあります。ここからは、折り紙遊びのメリットを3つ紹介します。
1-1.価格が安い
折り紙遊びは、紙さえあれば楽しむことができます。何らかの形を作るために、手順に沿って折るというオーソドックスな楽しみ方はありますが、目的もなくただひたすら折り続けたり、無造作に破ったりなど楽しみ方は無限大で飽きにくいことも特徴です。
また、折り紙商品は文具店や100円均一ショップ、さらに通販サイトなどで100~300円程度とリーズナブルな価格で売られています。1セットには数十枚~数百枚のカラーバリエーションが豊富な折り紙が入っているため、1セット購入していれば長く遊び続けられるでしょう。
1-2.場所を問わない
折り紙は1枚1枚が薄く軽い紙でできているため、たとえ複数枚を持ち運んでも荷物がかさばることがありません。普段からかばんの中に忍ばせておき、飲食店や電車の待ち時間など子どもが外で退屈そうにしているときにサッと出して遊ばせることも可能です。
また、遊び終わって不要となった折り紙はくしゃくしゃに丸めてコンパクトにでき、簡単に処分できます。このように、場所を問わない点も折り紙の大きな魅力と言えるでしょう。
1-3.さまざまなデザインを楽しめる
折り紙は無地のシンプルな色タイプから、さまざまな模様・デザインが描かれたタイプまでラインナップ豊富な点が特徴です。また、現在では折り紙の紙素材にも多くの種類があり、多様なデザインの折り紙を楽しむことができます。
子どもの目を惹くようなデザイン・素材の折り紙なら一段と興味を抱き、折り紙遊びに対してより積極的になってくれるでしょう。
2.折り紙遊びで期待できる子どもへの効果とは?
折り紙遊びで期待できる大きな効果は、「コミュニケーション能力」です。実際に、折り紙で遊んでいたときは周囲の大人に折り方を教えてもらった経験がある人も多いのではないでしょうか。折り紙遊びを通して幅広い世代の人とコミュニケーションをとれるという点は、社交性を育む要素となります。
また、折り紙にはその他にもさまざまな知育効果が期待できます。ここからは、それぞれの効果について紹介します。
2-1.空間認知能力が高まる
折り紙遊びは、空間認知能力の高まりが期待できるとされています。空間認知能力とは、視覚で捉えたものの位置や大きさ、形状など三次元空間に占めている状態を、スムーズにかつ適切に認識する能力のことです。
楽しい折り紙遊びを通して、平面の紙から立体の紙を作り出すというプロセスを繰り返すことにより、空間認知能力の高まりが期待できるだけでなく、想像力のトレーニングにもなるでしょう。
2-2.集中力が磨かれる
折り紙と向き合いながら、手順に沿って折ったり自分の好きなように折る・ちぎるを行ったりすることで、集中力の向上が期待できます。
特に、手順に沿って何らかの形となるようきれいに折る場合は、紙を折ったときの端と端をきれいに揃える必要があります。「集中しなければきれいに折れない」ということが分かるだけでも、集中力を鍛えることにつながるでしょう。
また、工程が多く複雑な折り方をしなければならないときも、さらなる集中力が必要です。さまざまな楽しみ方で折り紙遊びに取り組むことで、集中力は自然と養われていくでしょう。
2-3.手先が器用になる
折り紙をきれいに折るためには、手先・指先の器用さが重要です。端と端をぴったり合わせてきれいに折る・均一に力をかけてきれいな折り目をつくるといった工程は、手先の器用さが鍛えられるでしょう。
また、「指先は第2の脳」と言われているように、手先には末梢神経が集まっています。手先の器用さを鍛えることで脳が刺激され、あらゆる能力の向上も期待できるでしょう。
3.何歳からでも実践できる!折り紙の基本的な楽しみ方4選
子どもが1歳~3歳くらいのまだ小さなときに一緒に折り紙遊びを楽しむ場合は、発達状況に合わせて簡単なやり方から楽しむことがおすすめです。例えば「破る」「丸める」「ちぎる」「折る」などで、手順に沿って複雑な工程を踏まなければならないような製作遊びは控えておきましょう。難しいと感じた子どもが、折り紙遊びに対して消極的になってしまう可能性があるためです。
ここからは、「ちぎる」「丸める」「破る」「折る」といった基本的な楽しみ方について、それぞれ詳細を説明します。
3-1.破る
折り紙をきれいに折ることに慣れていない段階では、まず紙を自由に破るという遊び方をさせるとよいでしょう。折り紙をびりびりと破っていくだけでも、紙が破れるときの音や感覚で十分に楽しめます。
また、1~2歳の子どもは手首を上手にひねって紙を破ることが難しい場合もあります。「破りたいのに破れない」という気持ちは、折り紙遊びに対する積極性を失わせてしまう可能性もあるため、親があらかじめ切れ目を入れておくこともポイントです。
3-2.丸める
折り紙を手でくしゃくしゃに丸めたり、丸めた折り紙を広げたりするだけでも、音や感覚を存分に楽しめます。
ただ丸めるだけでなく、おにぎり屋さんなど「ごっこ遊び」に織り交ぜてみるのもよいでしょう。また、折り紙は非常に軽いため、丸めた折り紙をボールに見立ててボール遊びをすることもおすすめです。
3-3.ちぎる
ある程度手首をひねられるようになったり、指先の力を入れられるようになったりしたときは、折り紙をあらゆる形にちぎらせるとよいでしょう。無造作にちぎるのもよいですが、丸や四角など形を決めてちぎらせることで、より手先の器用さが鍛えられます。
また、ちぎりたい形に沿って手首をうまくひねられない・指先にうまく力を入れられないという子どもの場合は、親が手を添えて一緒にひねってあげることもポイントです。
3-4.折る
破る・丸める・ちぎるの動作をこなせるようになったら、いよいよ折る動作にチャレンジさせてみましょう。最初から端と端をぴったり合わせてきれいに折ることはできないため、まずは折るという感覚を掴んでもらうためにも、好きな場所で自由に折ってもらうことがポイントです。
きれいな折りすじ線を入れられるようになったら、次はまっすぐ折る動作・端や角とぴったり合わせて折る動作など、徐々に難易度を高めていくことをおすすめします。また、徐々に難易度を高めても子どもが積極的に取り組めるよう、一つひとつの工程・作品を完成させられたら「すごいね」「上手にできたね」としっかり褒めて、達成感を感じさせることもポイントです。
4.【発展】折り紙アイデアを3つ紹介!
子どもが折り紙遊びに慣れてきたら、いくつかの工程を踏む必要のある折り紙作品を作らせてみるとよいでしょう。最後に、「チューリップ」「こいのぼり」「犬」を折り紙で作る方法を紹介します。
【チューリップの作り方】
■花部分
- ●折り紙を三角形に折り、一度もう1段階三角形に折りたたんでから戻す
- ●真ん中の折り目を中心に、両端を上に折り上げる
■葉っぱ部分
- ●折り紙を三角形に一度折りたたんでから戻す
- ●真ん中の折り目を中心に、左右を折ってから半分にたたむよう折る
- ●上記の工程を踏んだ折り紙をもう1枚作る
- ●片方のすき間にのりを塗ってもう1枚を差し込む
- ●花と葉っぱ部分をのりでくっつけて完成
【こいのぼりの作り方】
- ●折り紙の表面を上にし、手前から3センチ程度の部分でまっすぐ折る
- ●3センチ程度の折り目が左側にくるよう折り紙を回し、1/3程度を目安に折る
- ●折り紙を裏返して、余っている部分を同様の幅で折る
- ●右下の角を三角形に折る
- ●三角形匂った部分を一度開き、内側に折りたたむ
- ●折り紙を裏返して、角が上部分に重なるよう三角形に折る
- ●折り紙を裏返して、ペンで目やうろこの柄を描いて完成
【犬の作り方】
- ●折り紙を縦・横に三角形に一度折って、折り目をつける
- ●再度三角形に折り、一度裏返してから両端を折り下げて耳をつくる
- ●三角形の下の角部分2~3センチをまっすぐ折り上げて鼻をつくる
- ●目・鼻部分に丸くちぎった折り紙を貼り付けて完成
これらの折り紙作品は、いくつかの工程を踏まなければならず、難易度も決して低いものではありません。そのため、親子で一緒に作り上げることがおすすめです。複雑な部分・分かりづらい部分においては、実際に折っている姿を写した写真・動画をお手本にしながら折ることをおすすめします。完成した折り紙作品は大きな画用紙に貼って飾り付けるなどすると、子どもは喜ぶでしょう。