脳科学の研究が進むにつれ、幼児教育の重要性が明らかになっています。特に、脳の基礎が完成する5歳までの幼児教育は非常に注目されており、保育園や幼稚園でも幼児教育のカリキュラムが組まれることが多くなりました。
しかし、いざ子どもに幼児教育を行ってみようと思っても、具体的にやることがわからない人も多いのではないでしょうか。
当記事では、幼児教育を行う上で知っておきたい脳科学について、わかりやすく解説しています。また、幼児教育におすすめの遊びを紹介しているため、脳科学や幼児教育に興味のある人はぜひ参考にしてください。
1.幼児教育を行う上で知っておくべき「脳科学トピック」4つ
脳の8割は5歳ごろに完成すると言われているため、5歳までの幼児教育は、子どもの成長に大きく貢献します。たとえば、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授は、「幼児期の適切な教育は、潜在能力の基盤を広げる」と述べています。
また5歳を過ぎても、脳は10代前半までゆっくりと成長するため、幼児教育は5歳までと限定せず、就学前~小学生まで継続して知育教育を行うことが大切です。
以下では、幼児教育を行う上で知っておくべき「脳科学トピック」4つを紹介します。
1-1.幼児期に「非認知能力」を高めることが重要
幼児教育のトピックの一つとして、「非認知能力」が注目されています。
人間の能力には、以下のように「非認知能力」と「認知能力」の2つがあります。
非認知能力 | 意欲・協調性・忍耐力・自信・表現力・共感性など、数値では測定できない能力 |
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認知能力 | IQや偏差値など、数値によって測定できる能力 |
幼児期に非認知能力を高めることで、子どもの興味・関心の幅が広がり、学習意欲にもつながるため、結果的に認知能力が向上します。また非認知能力が高い人は、一般的にストレス耐性があり、社会的・経済的に成功しやすくなると言われています。
非認知能力の基盤は、「自己肯定感」です。子どもの自己肯定感は、親との愛着形成により育まれます。子どもに対する愛情表現を忘れず、無条件で子どもの存在を認めることが大切です。
1-2.脳は「外部からの刺激」により発育する
脳は知能だけでなく、精神状態や運動機能に関わる大切な器官です。
脳には、情報伝達を行う「ニューロン」という神経細胞があり、ニューロン同士は電気信号を送り合って情報を伝達します。また、このニューロンの接続部位は「シナプス」と呼ばれます。脳の情報回路を強くさせ、記憶力・学習力を高めるためには、シナプスの数を増やすことが重要です。
赤ちゃんにはシナプスがほとんどありませんが、五感を刺激することで徐々にシナプスが増えます。脳の神経回路が形成される5歳までの時期に、聴覚・味覚・触覚・視覚・嗅覚を、さまざまな形で刺激してください。
1-3.「シータ波状態」が記憶力を高める
脳は特定の条件下で脳波を発生しますが、記憶力の向上に効果が期待される脳波は「シータ波」です。シータ波は、リラックスした際に発せられる脳波「アルファ波」よりも、より深いリラックス状態のときに発生します。
シータ波は睡眠導入時や瞑想時のほか、好奇心や興味を持って何かに取り組む際に発生します。シータ波が発生する状況下では、精神が集中していることから、記憶力が高まり、仕事や作業パフォーマンスが向上する傾向です。
子どものうちから「シータ波状態」を作りやすくするためには、感性脳を育てることが大切です。日常的に発見・気づきを得る子どもは、シータ波が発生されやすいと言われています。
1-4.「ドーパミン・サイクル」は5歳までに完成する
ドーパミン・サイクルとは、脳の中でドーパミンが繰り返し発生しやすい状態のことです。
以下の方法は、ドーパミン・サイクルを育むために有効と考えられている項目です。
- 子どもに多様な遊びを経験させる
- 子どもの好きな遊びを思い切りさせる
- 毎日異なる食事を出す
- さまざまな場所につれて行く
ドーパミンは、嬉しいこと・楽しいことをしているときや、新しいことに挑戦しているときに分泌されます。「楽しいことを経験し、繰り返し行う」というサイクルが実現すると、何事にも集中して取り組むような習慣を形成することが可能です。
2.幼児教育に取り入れたい!脳を鍛える主な遊び5つ
近年では、子どもにおけるタブレット・スマホの利用時間が増加しています。その時間に比例し、斜視が数年前よりも増えているため、注意が必要です。
幼児教育に取り入れたい「脳を鍛える主な遊び」には、以下の5つが挙げられます。
- リズム遊び
- お絵描き
- 料理
- ボードゲーム
- 積み木
以下では、家で楽しめる脳を鍛える遊びを、詳しく紹介します。
2-1.リズム遊び
リズム遊びは、幼児教育では「リトミック」とも呼ばれます。保育園・幼稚園でも授業で採用されることが多い、人気の教育方法です。
リズム遊びでは、音楽に合わせてあいさつをしたり、体を動かしたりします。リズム遊びを行うことで、子どもの聴覚・触覚・視覚などへ刺激を与えるとともに、音楽的な能力や身体能力を広げることが可能です。
リズム遊びを行う場合は、速さにテンポをつけて、子どもの五感を刺激することがポイントです。子どもと一緒に手拍子をしたり、歌に合わせて喜怒哀楽の感情表現を取り入れたりしてもよいでしょう。
2-2.お絵描き
お絵描きは、子どもの創造性・表現力・観察力などを養います。また、指先の動きは脳を刺激するため、集中力・思考力・記憶力・運動能力などの向上に効果的です。
子どもが描いた絵は否定せず、お絵描きが楽しいと思える環境を作りましょう。
またお絵描きの際には、保護者が「お絵描きのお題」を出すこともおすすめです。保護者が出したお題について、一緒に考えながらお絵描きをすることで、子どものコミュニケーション力や思考力が育ちます。
2-3.料理
料理では、子どもの五感をまんべんなく刺激することが可能です。保護者と一緒に料理を行うことでコミュニケーション力が養われるとともに、料理の過程で「発想力・思考力・注意力」などが高まり、脳の活性化が期待できます。
また、料理をすることで食材・食事への理解が深まり、感謝の気持ちが育まれる点も、大きなメリットです。子どもの年齢が低い場合は、「一緒にこねる」「はさみで切る」などでも十分に効果があります。
2-4.ボードゲーム
ボードゲームは、親子で一緒に楽しめる遊びであり、子どもの視覚・触覚などを刺激し、判断力やコミュニケーション力を育みます。
ボードゲームにはさまざまな種類があり、ボードゲームによっては物を組み立てることや、簡単な計算が必要になることもあります。子どもの年齢・興味・発達度合いなどに応じて、最適なボードゲームを選びましょう。
2-5.積み木
積み木は、0歳児から行える点が特徴であり、子どもの想像力・バランス感覚を養い、触覚・視覚などを刺激する、おすすめの遊びです。積み木同士を叩いて遊んだり、型にはめこんだりと、さまざまな遊び方ができることも積み木の魅力と言えます。
積み木などの知育教材を購入する際は、ハッピークローバーがおすすめです。ハッピークローバーでは、年齢に適したさまざまな積み木のほか、目的別・素材別に豊富な種類の知育玩具を取り扱っているため、ぜひご利用ください。
まとめ
幼児教育は、子どもの脳の発達に大きな影響を及ぼします。子どもの将来性を高めるためには、幼児期に非認知能力を育むことが大切です。
脳を鍛える遊びには、「リズム遊び」「お絵描き」「料理」「ボードゲーム」「積み木」などがあります。特に積み木は、子どもの指先を鍛えられるため、脳の発達効果が期待できる遊びです。
積み木などの知育教材を購入する際には、ハッピークローバーをぜひご利用ください。ハッピークローバーでは、年齢や発育状況に応じた多彩な知育玩具のほか、学用品・受験用品を取り扱っています。