小学校受験の対策はいつから始める?スケジュールや試験内容・勉強方法を解説

ペーパーテストから行動観察まで、小学校受験の試験内容は多岐にわたるため、受験対策にお困りの保護者は少なくありません。また、受験者本人の年齢が幼いことから「いつから対策を始めるべきか」も、頭を悩ませるポイントでしょう。
こちらでは、対策を始めるべき時期や勉強方法まで、小学校受験についてまず知っておきたい基礎知識を解説しています。小学校受験に興味がある方は、ぜひ一度目を通してみてください。

小学校受験の対策はいつから始めるか

全国的に幼児の学習塾として豊富な実績を持つ「理英会」によると、調査対象の約半数が年中期に小学校受験を決めていることが明らかとされています。年中になる前に決めているご家庭も多く、早い段階で小学校受験を意識していることがわかります。


出典:理英会|小学校受験することをいつ決めたのか?

では、小学校受験の対策はいつ始めると良いのでしょうか。一般的に、小学校受験の準備を始める時期として適しているのは、入試の1年前にあたる「子どもが年中になった秋」までと言われています。1年もの準備期間が必要とされる理由は、大きく2点です。

・受験対策のための期間
小学校受験では、正確に数を数えられるか、動物や植物の正しい名称を知っているかといった基礎学力が問われます。練習でスラスラと答えられなければ、緊張した入試の場面では力が発揮できないことも。読み聞かせなど普段のコミュニケーションの中で子どもに学習させるには、1年ほどの期間を要します。

・家庭でのチームワークを構築するための期間
小学校受験では、基礎学力だけでなく、親子の関わりを確認するような内容も多く含まれています。草花の開花時期や日本の文化・風習、洋服の畳み方などは、どれも日常生活の中で体験的に学ぶことです。1年の準備期間は、学習レベルを高める以外に、親子で楽しみながら家庭でのチームワークを構築するための期間でもあります。

なお、国立・私立どちらを受験する場合でも、対策期間の考え方は同様です。家族で過ごす時間を意識的に持つためにも、受験からさかのぼって1年前のタイミングで、準備を徐々に進めていくと良いでしょう。

小学校受験のスケジュール

小学校受験のスケジュールは、願書受付~合格発表まで学校によって異なります。小学校受験に関してさまざまな情報発信を行うサイトでは、受験対策に強い幼児向けの学習塾がわかるほか、関東や関西地方の入試日程カレンダーを確認することも可能。小学校受験を決心したら、下記のようなサイトを活用し、対策を始めるべきタイミングを把握しておきましょう。
【小学校受験スケジュール】

・お受験じょうほう 首都圏版|入試日程カレンダー
・お受験じょうほう 関西版|入試日程カレンダー

お住まいの地域や受験する学校により多少前後はしますが、入試は入学年前年の秋ごろに始まります。具体的には10月ごろに願書受付が開始し、11~12月にかけて考査・面接を実施。12月以降に合格発表、入学手続きへと進むのが一般的なスケジュールです。首都圏では、概ねどの学校もこちらのスケジュールから大きくずれることはありませんが、関西圏では国立と私立によって大きく日程が変わります。私立では、8月などの早いタイミングで選考を行う学校が多い一方で、国立では1月に選考を開始する学校も。準備期間にも影響してくるため、志望校が定まってきた段階で、受験のスケジュールは早めにチェックしておくことをおすすめします。

小学校受験の試験内容

受験する学校によって試験内容は異なりますが、一般的には「ペーパーテスト」「行動観察」「製作」「運動」「面接」といった方法で入試は行われます。

ペーパーテスト

ペーパーテストとは筆記試験のことですが、足し算や引き算のような学力を問う内容ではありません。図形問題や仲間探し、季節・電車のマナーなど、常識や思考力を試すような問題が多く出題されています。難易度や出題パターンは変わりますが、国立・私立のどちらもが日常生活に即した内容を問う傾向にあります。

行動観察

子ども同士で行うゲームや遊びの中で、受験者がどのように振る舞うかがチェックされます。グループで1つの課題に取り組む・おもちゃが置かれた部屋で自由に遊ぶ・試験官の体操を真似るなど、試験内容はさまざまです。協調性やリーダーシップといった特性のほかに、挨拶・言葉遣い・ほかの受験生への態度などが見られています。

製作

趣味と自主性
工作・絵画など、手先の器用さや感性を問う内容です。工作では、紙を手でちぎったり紐を蝶々結びにしたりといった工程を踏まえて、与えられたお題を指示通りにこなすことが求められます。一方絵画は、大きく2種類に問題がわかれます。

1つは忠実にお題を再現するもの、もう1つはカラフルな色で感性を自由に表現するものです。

運動

跳ぶ・走る・投げるといった基本的な運動能力を問います。そのほか、試験官の指示を正しく聞けるかどうか、課題に一生懸命取り組めるかどうかも争点です。試験内容はさまざまですが、国立の筑波大学附属小学校など一部の学校では、膝を地面につけずに両手・両足で歩く「クマ歩き」がよく出題されています。

クマ歩きは、心身の発達や体幹などを総合的に評価できる運動として注目を集めています。

面接

子どものみ・保護者のみ・親子同席など面接方法はさまざまですが、国立小学校では、何名かにわかれて試験官からの質問に答えるグループ面接を行うことが多いようです。なお、一般的な面接では、子どもに対しては趣味や興味など人間性を見極める質問が、保護者には志望動機や家庭の教育方針を問う質問が多い傾向にあります。

質問の答えだけでなく、試験官は話を聞く姿勢や受け答えの態度などもよく見ています。

小学校受験の対策・勉強方法

準備期間である入試前の1年間をどのように過ごすかが、合否には大きく影響します。家庭では、年中の11月ごろから自宅学習に取り組みましょう。1~3月ごろは、学校の資料を集めるほか、親のお手伝いを習慣にしておく時期です。4月以降は学校説明会や模試などが実施され、慌ただしくなってきます。試験内容の中に子どもが苦手としているものがあれば、できるだけ11~3月までの早いタイミングで始めておくと良いでしょう。

なお、共働きなどで、子どもとの時間が十分に取れない場合は、塾でプロによるサポートを受けるのがおすすめです。塾に通うタイミングは「小学校受験を意識した当初から」と「受験対策の直前のみ」という家庭で大きく二分します。自宅学習をメインにしている家庭では、塾に通うのは直前の受験対策だけで十分かもしれませんが、自宅学習に時間を割けない家庭では、週3~4回程度塾に通っているケースが多く見られます。

経済状況や子どものモチベーションなどを考慮しつつ、無理のない範囲で活用できると良いでしょう。

小学校受験の塾選びのポイント

小学校受験を効率良く対策するには、適した塾選びが欠かせません。塾選びでは、以下3つのポイントを押さえておきましょう。

・志望校に特化した授業があるか
入試は、生活常識を問うものから子どもの性質を見極めるものまで、幅広く出題されるのが特徴です。志望校の試験対策になるような授業・カリキュラムが組まれているかどうかは、受験選びで失敗しないための大きなポイント。特定の小学校に特化した授業・カリキュラムで合格をサポートしてくれる塾もあるため、受験する学校が決まった時点で、大小さまざまな塾を比較することをおすすめします。

・志望校の合格実績があるか
志望校の合格実績があれば、その学校に関する情報をたくさん持っているということです。傾向を知り、対策を練るうえでは志望校に詳しい塾を選ぶことが大切。特に受験が近づくにつれ、試験内容や試験のときに適した服装、試験の雰囲気など、さまざまなことが気になるものです。塾選びの際は、志望校の合格率やサポート体制もしっかりと確認しておきましょう。

・先生と子どもの相性が合うか
塾の先生と子どもの相性が良ければ、自ずと学習意欲は高まります。「生徒の習熟度を理解している」「生徒のスキルを伸ばしてくれる」といったポイントも重要ですが、先生との相性は実際に通ってみないとわからない部分もあるでしょう。入塾体験時は、先生と子どもの様子をしっかりと観察することが、後悔のない塾選びにつながります。

小学校受験を受けることは意味ない?

「小学校受験は意味がない」という声も聞かれますが、本当にそうなのでしょうか。たしかに、5~6歳の幼児に知識を詰め込むだけの学習をすると、勉強嫌いになる・自主性が育たないといったリスクがあるのかもしれません。

しかし、本来学習とは子どもの「気づき」から自主性を養い、答えを導くための思考力を鍛えるためのもの。興味・関心を追求して得た知識や理解は、将来的に社会を生き抜く力となります。

小学校受験は、子どもの好奇心を刺激し、より深く考える力を身につけるためのきっかけに過ぎません。合否がどうであれ人間力を形成する重要な時期に、受験対策として有意義な体験をしたことは、きっとその先の人生でも役に立つ場面がくるはずです。

小学校受験が向いている子・向かない子

小学校受験の向き・不向きは合格率にほとんど影響しませんが、親としては子どもの性質が気になるところでしょう。ここでは、小学校受験が向いている子・向かない子の特徴をまとめました。

小学校受験が向いている子の特徴小学校受験が向かない子の特徴
・協調性がある子
・向上心がある子
・好奇心旺盛な子
・目標に向かって努力できる子
・適度な競争心を持つ子
・運動や音楽など勉強以外に夢中になれることがある子
・勉強の前に伸ばすべき力がほかにある子
・自分のやり方にこだわりがある子

子どもによって性質はさまざまですが、「小学校受験に向いていない」ことを悲観する必要はありません。受験に際し、子どもの意思を尊重する・何かに挑戦する気持ちを親として大切にすることは、小学校に合格するよりも大切なことです。結果がどうであれ、子どもにとっても貴重な経験として、蓄積されることでしょう。

小学校受験が向いている親・向かない親

小学校受験の主役は子どもですが、一方でその資質を問われるのは親です。小学校受験は、親にとっても向き・不向きがあります。受験に向いている・向いていない親の特徴は以下の通りです。

小学校受験が向いている親の特徴小学校受験が向かない親の特徴
・子どもと一緒に学習できる親
・子どものモチベーションを高める工夫ができる親
・ルールが守れる親
・正しい生活習慣が送れる親
・ルールを守る習慣がない親
・スケジュール管理能力に乏しい親
・子どもの頑張りを認められない親
・謙虚な姿勢で受験に臨めない親
・理想が高い親

小学校受験は、家庭環境が大きく合否に影響を与えます。学校側が本当に考査したいのは、親の教育方針です。過度に子どもをかわいがったり厳しくしつけたりするのではなく、子どものことを考えて適切に関わることが親には求められていると言えるでしょう。

小学校受験に合格するために必要なこと

最後に、小学校受験で親や子どもに必要な3つの心構えについて説明します。

・親子の信頼関係を築く
「親に喜んでもらいたい」一心で頑張りすぎた結果、気づいたら大きなストレスを抱えていた子どもは少なくありません。小学校受験は、家族の絆や愛情が試される場です。理想や価値観を押し付けるのではなく、家族として子どもの想いに寄り添い、信頼関係を築くことが受験成功の鍵を握っています。

・取り組む楽しさを親子で実感する
子どもは、楽しいことや興味が持てることには、時間を忘れて没頭します。受験対策としては「取り組むことが楽しい」と子どもが感じるだけで十分。結果ではなく、子どもの楽しそうな表情に目を向けることが親としての重要な役割と言えるでしょう。

・普段から服装や身だしなみに気を遣う
TPOに合わせて服装マナーを守れる親は、受験に向いています。受験当日の服を「動きやすいもの」と指定されたとしても、普段から身だしなみに気を遣う親は、トレーナーで受験に臨んだりはしません。小学校受験では、的確な状況判断が親にも求められます。とはいえ、小学校受験の服装で迷うこともあるでしょう。そんなときは下記のようなお受験専門店に相談し、入試に必要アイテムや服装マナーを知ることで、自信を持って小学校受験に臨めるはずです。

まとめ

小学校受験の内容や勉強方法、合格するために必要な心構えなどについて解説しました。小学校受験では、子どもの知識・常識力だけでなく、親としての資質や家族の絆なども問われます。子どもが主役ではあるものの、子どものやる気を引き出し、家族一丸となって受験に臨むには、親のサポートが欠かせません。

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