パズルは、誰もが一度は遊んだことのあるおもちゃの1つではないでしょうか。保護者にとって身近に感じやすく、子どもも取り組みやすいことから、パズルを使った知育は近年人気を集めています。知育パズルにはさまざまな効果が期待できますが、選び方や使い方に注意が必要です。
当記事では、パズルを使った知育による効果や知育パズルの選び方、遊ぶときの注意点を説明します。知育パズルを正しく使用し、子どもの可能性を広げましょう。
1. パズルは知育におすすめ?期待できる効果5つ
子どもの知育玩具にはたくさんの種類がありますが、その中でもパズルは下記の効果が期待できるとされています。
- 想像力が豊かになる
- 手先が器用になる
- 集中力が高まる
- 空間認識能力が高まる
- 記憶力が鍛えられる
想像力や集中力など、パズルに期待できる効果は子どもの成長過程で身に付けておきたい能力ばかりです。ここからは、どのような効果が得られるのか1つずつ解説します。
1-1. 想像力が豊かになる
パズルの中でもジグソーパズルは、何もないところから絵や形をヒントにしてピースをはめていく作業です。子どもは、最初はただ形を合わせるだけであっても、遊び方を理解してくると絵をもとにイメージしながら遊ぶようになります。
どの場所にどのピースを置いたらどのような絵になるのか逆算しながらピースをはめるため、何もない場所から何かを作り出す想像力の成長につながります。
1-2. 手先が器用になる
パズルをはめる作業は指先のよいトレーニングになります。ピースの数により大きさは異なりますが、子どもが簡単に掴めるよう工夫された幼児期のおもちゃとは違い、パズルの形はさまざまで掴みにくい作りもあります。一つひとつのピースを「探り」「掴み」「組み込む」という一連の作業は、子どもにとって簡単ではありません。
パズルをはめるまでのすべての工程で手先を使うため、子どもは指先の使い方に慣れてくるとピースをスムーズに扱えるようになるでしょう。指先が鍛えられるだけでなく脳トレにもつながります。
1-3. 集中力が高まる
パズルは「絵を見ながら形を確認し、はまる場所を探す」という一度に複数のことを考えながら遊ぶおもちゃです。その流れの1つでも途切れてしまうと、パズルは完成しません。1つをはめて終わるのではなく、完成まで同じことを繰り返して長い時間をかけて遊ぶため、継続的な集中力が求められます。
脳をフル活用する能動的な行動ができる知育玩具は、集中力を身に付けるには効果的です。また、完成時の達成感は成長への大きな後押しとなるでしょう。
1-4. 空間認識能力が高まる
空間認識能力とは、物体の形・大きさ・向き・位置関係・速度などを素早く正確に判断する能力のことです。空間認識能力は数学や芸術分野のほか、スポーツや運転など日常生活にも役立ちます。
パズルは形や大きさ、向きなどを認識した上で的確な位置にはめるため、空間認識能力を使うおもちゃです。空間認識力が高まれば、自分のことを自分でできるようになるだけでなく、将来的な可能性を広げることにもつながるでしょう。
1-5. 記憶力が鍛えられる
最初は完成図を見ながら遊んでいても、何度かパズルで遊ぶうちに絵を見ず記憶を頼りにピースをはめられるようになります。回数を重ねて記憶が定着すれば、手に持ったピースの形や柄を見ただけで場所を特定し、完成させることもできます。
ただし、記憶力を鍛えるには繰り返し遊ぶことが重要です。はじめはうまくいかず、子どもは諦めそうになることもありますが、一緒に完成までのプロセスを楽しむと何度もパズルに取り組むようになり、記憶力の向上を図れるでしょう。
2. 【選び方】知育パズルはどう選ぶ?
パズルには数多くの種類があるため、知育パズルの選び方に悩む人は多いのではないでしょうか。子どもの年齢や発達速度によって、パズルで取り組むべき難易度は変わります。そのため、子どもの今の年齢や目的に応じて知育パズルを選ぶとよいでしょう。ここからは、知育パズルの選び方について詳しく説明します。
2-1. 子どもの年齢別で選ぶ
パズルによって適正年齢が設定されているため、それをもとに子どもの年齢に合わせた商品を選ぶとよいでしょう。なお、あくまでも適正年齢は1つの目安であり、子どもの成長段階に合う難易度を選ぶことが知育効果を最大限引き出すコツです。
0~1歳 | 0〜1歳向けの赤ちゃん用知育パズルは、丸・三角・四角など単純な形で10ピース以下がおすすめです。立体的なパズルは視覚と感覚に大きな刺激を与えられるため、より空間認識能力の発達に期待ができます。 |
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2~3歳 | 絵や形を理解できるようになる2〜3歳は、10〜50ピース程度の子ども向けパズルがおすすめです。アンパンマンなど好きなキャラクターや動物の絵柄が入ったパズルなら、楽しみながら遊ぶことができます。積み木パズルなど他の遊び方もできるパズルは、飽きずに遊んでくれる可能性が高いです。 |
4~6歳 | 4歳以上になると継続的な集中力が身に付き、ピース数が増えても完成させられる可能性があるため、50〜100ピース程度が目安です。世界地図や日本地図など、学習と連動したパズルを選べば、さらに知育効果が発揮されるでしょう。 |
2-2. 目的に合わせて選ぶ
パズルは総合的な知育効果が見込めますが、子どもに身に付けてほしい能力によって選ぶことも1つの方法です。
空間認識能力 | 【型はめパズル・立体パズル】 型はめパズルや立体的なパズルは、見る角度によって形や柄が変わるため、空間認識能力の向上に大きな期待ができます。また、木製のキューブパズルは積み木として遊ぶ中で創造力も鍛えられるため、人気の商品です。 |
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想像力 | 【図形パズル・シルエットパズル】 三角や四角など見慣れた図形を組み合わせて別の形を作ったり、シルエットが何を表しているのか考えたりすることで、想像力が鍛えられるでしょう。 |
3. パズルを使った知育の注意点3選!
パズルには多くの知育効果が期待できますが、子どもが遊ばなければ思っていた効果を得ることはできません。パズルを通して子どもの能力を育むためには、子どもが楽しんで繰り返し遊べるよう親が意識する必要があります。ここからは、パズルを使って知育する際の3つの注意点を解説します。
3-1. たくさん褒める
その子の性格や個性にもよりますが、多くの子どもにとってパズルは難易度の高い遊びです。最初はうまくできず楽しい感情になりにくいため、完成させた結果だけでなくチャレンジする姿勢を含めてたくさん褒めることが大切です。
子どもは褒められることで嬉しくなり自己肯定感が高まるため、親に褒められる行動を積極的に行うようになります。パズルの完成時に褒められると、喜びとともに達成感を得ることができ、パズルを楽しく感じるでしょう。たとえ完成できなくても、パズルに挑戦した姿勢を褒めれば、パズル遊びの楽しさを知ることができます。
3-2. 誤飲に気を付ける
パズルのピースは子どもの口に入る大きさのため、誤って食べないように気を付けなければなりません。特に、子どもが2歳になるまではピースの大きさを問わず誤飲に注意が必要です。小さな木製パズルに限らず、紙製の大きなパズルでも、口に入ることでふやけてちぎれ、子どもが飲み込んでしまう可能性があります。
万が一誤飲した場合はしばらく様子を見たのち、かかりつけ医に診てもらいましょう。「意識がない」「顔色が悪い」「呼吸がおかしい」などの症状が出ているときは、すぐに病院を受診してください。パズルで遊ぶときは必ず一緒に見てあげたり、使わないときには子どもの手の届かない場所に保管したりすると安心です。
3-3. 子どもの意欲を尊重する
知育パズルの効果を発揮するには、子どもが自主的に取り組むことが重要です。子どもにも興味の有無や遊びたいタイミングがあるため、親が無理強いをすると嫌がります。親としては子どもにたくさん遊んでほしいと思うかもしれませんが、「パズル=嫌」とならないよう子どもの意思を尊重することが大切です。
また、難しすぎるパズルは子どもが楽しさを見出すまでに時間がかかる傾向にあります。子どもの年齢だけでなく成長に合わせた難易度のパズルを選ぶと、自らチャレンジしてみようと思う気持ちが芽生えるでしょう。